オリヴィエ・メシアン - 『音楽言語の技法』
自作曲の分析なんですよ。ネタばらしのような・・ なんだよタランティーノかよw
(タランティーノ監督は自分の映画の元ネタをすぐバラしちゃうので有名)
作曲家にして教育者なので、分析力がすごい。
前から欲しかったのですが、ずっと堪えてて。ついに
Fallin' for 清水の舞台で、買って読みましたよパラパラと📙
大昔に、一度くらい前の版を、大学図書館で読んだような・・?読んでないような。
ハイパー大まかな捉え方をしますと
この人はレイヤー構造が得意というか、好きなんだなと。
最小で3層構造。
やたら、三段譜が出てくるなと初めて思ったのは ドビュッシー前奏曲集1・2です。
同じフランス人なので、もちろんそこからの影響も大。
ドビュッシー分析も出てきます。特にコード面で付加音のある和音。
テンションコードとかの扱い。そこから拡大してもはやポリコード・分数コードまで行っている。(第二次大戦後に振り返りながら語っている本です)
そして、この人の場合インドの伝統音楽からの影響もあるため。音の低い方から
1 ドローン(通奏低音)
2 ハーモニー
3 オスティナート
の三層がよく出てきます。1と3は民族音楽の重要キーワードです。その辺リズム構造にも影響あり。
ハーモニーだけでも相当濃い情報量なのにねぇ。
作家性が濃く複雑にも関わらず
作家性と個性が強いんですよ。インドの音楽研究もそうだし、敬虔なキリスト教徒で
神秘主義的と僕が高校生くらいのとき(90年代後半)には紹介されてました。
ハーモニー部はジャズにも共通点が見いだせると思います。
でもこの論理的な考え方と、知性の背景に信仰とか、なんだろうな・・神秘的と言えるだけの情念がありますね。情念というと語弊があるかもしれず。
論理や分析じゃ解けない部分ですかね。
なので、やりたい事、意図としては新ウィーン学派の人たち(シェーンベルク・ウェーベルン・ベルク)の方がシンプル。
音楽の外にルールを作って、それにもとづいて組み立てようってことなので。
出音も、コードの分厚さを追求する音楽じゃないため、シンプルですね。
メシアンの方が、先に美学ありき!のように見えます。でもシステムが分厚いので
その辺は、鶏・タマゴの関係。ループ構造的かもしれないです。