小さな羊飼い
これも、『子供の領分』から短い曲ですが。なんとも奥深い曲で、
同じモチーフが三回微妙に変わりつつ、転調して出てくる。
『牧神の午後への前奏曲』と似た形の単音のメロディからはじまるので、
その変奏的ミニチュア版かなと思ってました。しかし、ヨーロッパで〝羊飼い〟といえばイエス・キリストの隠喩であることが多く、〝羊〟は人ですね。
牧神は神話のモチーフなのでちょっとその辺違うのかな? とも思いながら、
弾いて結構早く合格となりました。この曲は詩情溢れるような、リリカル(叙情的)というよりポエティック(詩的)ってやつ。
ドビュッシー本人の演奏を聴いたのが活きてます。
この曲は聴いてないけど、例えば『前奏曲集』の中の曲も、そんなにぼんやり弾いてなかったですね。
僕は高校のときこれ聴くと速攻で寝てたんですけど😪 寝かさないような演奏でした。
なので、音楽の友社の、「安川版」はめちゃくちゃペダル表記が細かいですけど(細かく踏み変えるるし、無駄に入れない)
正しいのかもなと・・。ようはダンパーペダルでボヤーっと弾くとアンビエントミュージックっぽくなるし、濁っちゃうから。
昔と感動するポイントは変わっていない
下手すると中学の後半くらいからこの曲集は好きなので、最初〝クラシックピアノ名作選〟みたいのを母親から借りてたんだっけな・・?
「雪は踊っている」 が一番好きでした。選者もなんでこの曲を選んだのかわからんのですが、当時は「なんだこれ、聴いたことない感じ!」くらいに思っていた。
機械的なミファソラ ミファソラっていうモチーフに1音足すだけで、急に和声的・調性的になるってのがニクいアイデアなんですよ💡
『子供の領分』は他の曲もそうで、一応子供向け(といっても子供で弾けるのはごく一部の人だけど)の体裁を取っているので、なるべく少ない音の数で、この人らしさとか音響が複雑という部分はしっかり出ている。
あまりテクニカルにしないっていう制約の上で、すごくいい結果に結びついている気がします。
そんな具合で、今回は一旦お開き、笑点この辺で! また来週のお楽しみ🍵