ティクナットハンの言葉。
万物には「固定した形がない」という性質を理解するために、よく引き合いに出されるのが、波と水のたとえです。波は高くなったり低くなったり、現れたり消えたりしますが、波を作っているもとの水には、高低も生滅もありません。高い低い、生じる滅する、これらの相は水の実体には全く影響しないのです。
私たちは外見に影響されて、泣いたり笑ったりします。物事の実体を見たことがないからです。実体(スヴァバーヴァ=自性)とは、あらゆる現象の本質そのもの、そして私たちの本性でもあります。波が生まれて死んでいく、その側面だけを見るところに苦しみがあります。波のもとである水に目を転じ、どんな波も水に戻っていくことを知れば、恐れはなくなります。 (『ブッダの〈呼吸〉の瞑想』167頁)
やはりこの本、目から鱗の部分の内容でした。この人の知識や洞察から学ぶものはたくさんあります。