今でもジャズの中ではかなりの頻度で聴き返す一枚です。ドルフィーの公式録音では遺作となっています。
・ジャズ史でいうところのモード〜フリー時代のクールさ
・部屋鳴り ハコ鳴り(?)が絶妙な異世界感を作っている
・カルテット形式のため各ソロが聴き取りやすく、ドルフィーが楽器を持ち替えながら演奏していく魅力
最初の出会いはディスクユニオンで「お、ジャケかっこいい」と思ったのがきっかけ
記憶があいまいですが中古盤で600円とかそんなものだったと思います。
当時レコードのジャズでプレミアもついていなければ、この位の価格はざらにありました。
内容も好きになって何か引っかかったので、その後もCDや配信で買い換えて聴いています。ジャケも部屋に飾ったりしています。
ジャケもそうなのですが、全体を評するとクールの一語につきます。マイルス・デイヴィスが『クールの誕生』というレコードを残していますが、私はクールというとこのレコードをすぐ思い起こします。
それに大いに関与しているのが、この空間の異世界感だと思います。公開録音盤なのですが、「なんだこの雰囲気は?とても普通に生活していたら味わえない」と感じます。
非日常なのですが、内省的でお祭り騒ぎのようなものとは逆ベクトルの体感です。
ドルフィーは、激しい演奏もかなりやるタイプの人ですが、このレコードでは落ち着いていますね。ピアノも追従して抑え目でバッキング・ソロをしています。
バスクラリネット・フルート・アルトサックスなどを持ち替えながら演奏していますが一貫した流れが、通奏低音のように存在しているので、そこにも魅力を感じます。
「You Don’t Know What Love Is」のフルートの即興なんて、ドビュッシーの曲のように聴こえますね!
ただ、結局のところなんでこんなに、繰り返し聴いてきたのかはっきりとうまく理由が語れないところがあります。ふしぎなものです😥
このアルバムに関するドキュメンタリーフィルムがあるようです。しかし英語でちゃんと解読できません!
最初に出会ったジャケはこちらの青盤です!