監督はクリント・イーストウッド。1988年作品。日本では劇場公開はされていません。
記録を編集して描く人間性
全体的に白黒が多いと言えど、記録映像が古くさく感じなくて、リアルなものに見えました。
モンクの帽子遍歴と、あの独特な奏法と鼻歌?・・うめき声も聴けます😂
独学からピアノをはじめ、ジュリアード音楽院で学んでいたというのは初めて知りました。
モダン・ジャズの創始者のひとりと言いつつも、当初レコードはそれほど売れていなかったという話。
そして、『バット・ビューティフル』よろしくヤクザな世界。体は疲弊するだろうなーと思いながら見ていました。
本人の話し声を初めて聴きました。だいぶボソボソっていうかぐだーっと喋る人なんですね。あとよくクルクル回っている。
この人の持つ性格のオフビート感は音楽の魅力に直結しているのかもしれない。
録音に関して、テイクワンが一番いいと考えていたというのは納得です。あとはエネルギーが下降線を辿ると・・。
躁と鬱を繰り返していたという話も出てきます(彼の子供の証言)
内向的で静かな時期と、多動な時期の繰り返しがあったとのこと。それも発作的な部分があったと。年代ごとに違いがあったようです。
関係性の視点
そして奥さんの内助の功というにふさわしい働き。身の回りのこと全部やってもらっていたらしい。九州男児でそういう話聞きますよね・・。(都市伝説かと思ってたら友達のお父さん本当にそうだったみたい)
この内助の功視点からの映像もちょくちょく出てきてそれもいいですね。
仙人のように見えるモンクの、人間くささが垣間見えます。
練習風景のザワザワ感とか、見ててやだねーw
そこがいいとか悪いとか、あーだとかこーだ議論する感じ、楽団あるあるだし。一番嫌な時間。
スターとしての一個人ではなく、周囲の人との関係性の面から描くのはイーストウッドらしさ。本人にとってあらゆる位置付けの人がいて当然。
イーストウッドの乾いたタッチ
イーストウッドが関係性、特に家族・友人を描くときの、ライトサイドが 「グラン・トリノ」だとしたらダークサイドは「ミリオンダラーベイビー」でしょうか・・。
投げっぱなしにはしないけど、変に解釈して色付けもしないよという
絶妙な距離の取り方は「J・エドガー」とか、それこそ「Bird」とかにも表れています。
見ていると、モンクは猫派だったようですね。ちょっと、らしいですね🐈
亡くなったのは、僕の生まれた6日後というのも驚きました。
そうだったのかー! という感じです。
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