コテンパンにやられてからの
アラベスク 1 難しかった・・。左手の旋回する感じが。
人によって得手不得手があるみたいだけど、ぼくは2番の方が弾きやすいです。
ペンタトニック(五音音階)を意識して使ってる感じのする曲です。
まだそれほど、モード(教会旋法)っぽいものには目覚めてない、1888年作。
でももう個性は出てる!
ドミナントはじまりで、そんなに奇をてらっていない進行です。
メロディに ミファミシ ラシラレ〜 とその後も下降する音形。左手のコードはシンプルなのですが、
その右手で引く音に7th 9th 11th 13th(6) が出てくるので、瞬間瞬間の響きは複雑になります。
では、上手い人の演奏を聴いてみますか・・・はっや!!(o_o) ↓
実はこの曲、下降する音形と上昇する音形(1:04あたりから)のふたつのモチーフを
かなり反復して使っています。
ただそのモチーフがあらゆる和音や転調などで、変奏され、響きも変わってゆくと言った具合。
やたら出てくる sus4
結構早い段階で、解決しないD7sus4 が出てきます。普通典型的なクラシックの進行だとD7sus4 → D7→G
っていくんですが、こういうスタンダードな使い方もされている反面、
D7sus4 → G ってところもあるのでこれは、sus4っていうよりは♭11thって取った方がいいのかな・・ まあこれもベタなドミナントを回避するひとつのパターンなのかも。(D7sus4 の方が浮遊感が出る)
ド・ミ・ソみたいに素直に取らない。ドファソとかね。音程的にはぶつかる和音を選ぶ。
1:19〜の譜面を見てください。どんだけファソ使ってるんだ。
ペンタトニックとか4度の連続っていうのと関係あるのかも、わざとそこを強調してやろうっていう。
和音の平行移動
ドビュッシーといえば・・というくらいに特徴的な和音の平行移動、この音源だと
0:57〜 出てきますね。もうやってるんだ早い時期から・・!
最後のあたりにももう一度出てきます。3:01〜
アラベスク二曲で、中期以降の特徴ってものをもう先取りしてますね。。
その表現の仕方が地味なだけで。もちろん4度平行とか、和音平行とか諸々
機能和声だと禁則なので。
最初はちょい出ししてたものを、成熟とともにどんどんルールから逸脱して、思いっきりやりたい音を出すようになったというイメージです。
それと、よっぽど調性回避 とか 違う枠組みの音楽を作りたかったんでしょうね。
少し下の世代のラヴェルと違い、サロンで詩人と交流したりと、アウトサイダーというか・・コンセルヴァトワール入ったが、どエリートじゃない感じも
うまく作用して、既成の音楽から逸脱してやろうっていう動機になったんじゃないかな。
ラヴェルは結構ドビュッシーをライバル視して、同じ形式で音楽を書くんですよね。どちらかといえばアカデミズム側で充分認められていたのにねぇ。