bosats 音 note

ギターにハマって困って学んで

慈悲とクリマイ

徹底したリアリティ

 

クリミナルマインド、シーズン11の2話はサリンによる事件が起き

 

その実例として「地下鉄サリン事件」が出てきます。

当時(2015)、20年の節目ということもあり、その線でも捜査しようという流れになります。(いまのニュースからいってもタイムリーです)

 

日本のドラマでかつての事件を下地にするってことはあっても、実際の事件の名前や人物名は出さない。

 

 

日本関連では例えば、ゾディアック・キラーの模倣犯として複数の名があげられる中に

例の「酒鬼薔薇」の名前も出てきます。当時見ていてすごく驚きました。

 

つまり、なんとなくぼんやり〝アメリカの凶悪犯〟ということで、架空の人物も実在の人物も境なく、聞き流しているところがあった。

 

それが、急に自分もリアルタイムで見ていた現実の事件とつながった瞬間でした。

 

 

で、有名なプロファイラーの本をkindle版でちょっと読んでみましたが、

ドラマさながらですよ・・。

 

ハードボイルド小説みたい。『マインドハンター FBI連続殺人ファイル』(ハヤカワ文庫)。語り口が、まるでドラマ内の登場人物、ベテラン捜査官ギデオンやロッシのよう。

 

さすが、SFもミステリーも、科学ノンフィクションも安定のハヤカワ文庫😂!

 

 

閑話休題

 

さて、チベット仏教の特徴的な訓練に慈悲の瞑想があります。

『今、ここを生きる』にうまく整理されています。全3ステップになっています。

 

これの第1段階のテーマは、自他交換です。

 

昔、勘違いをしていて、慈悲の瞑想は肯定的な親愛の心を、色々な人々(まずは、近しい人物→中間的な人物→あかの他人→嫌いな人物)と拡げていくものだと思っていました。

 

本当はそれだけじゃなくて、否定的な感情も活用できます。

様々なテーマに沿って実践します。

 

近しい人・親愛の情を持っている人や動物が苦しむところを観想する

そこで生じる「辛い!助けたい」という感情も大いに自分を成長させる。など

 

伝統的なテーマに「仮に自分が死刑囚だったらどう感じるか」

「災害で苦しんでいる人だったら」等々あり、自己中心的な自分の見解・殻を崩していくのが目的です。

 

ステップ1だけでもいくらでもバリエーションを想定することができます。こんなに方法を知らなかったのだと、目から鱗でした。

 

これとクリミナルマインドとどうつながるかというと・・。

 

ドラマ内では被害者感情への共感ていうことも出てきますが、プロファイラーは犯人の視点に立って犯人の行動を予測しなければならない。

だから「犯人のことは犯人に聞け」っていう囚人との面接が必要になるんです。

 

自他交換との類似点があって、その点でも何か・・引き込まれて見ているうちに自然と学ぶものが多いです。

 

 

 

 

サン・サーンスを弾く日が来るとは

実際作曲する人の批評

 

ドビュッシー音楽論集』(岩波文庫) しばらく前に買って読みました。

よく伝記に〝評論も皮肉屋で毒舌〟のように書かれているのを記憶してたんですが、

実際読んでみると、そう・・かな?

 

 

昔読んだ太宰治のエッセイ風の批評の、ネットで書かれる悪口みたいなやつを読んで、ほんとに吹き出しそうになった経験があるので。

 

あれに比べたら上品なもんです😀

 

当時(100年以上前)の独特の言い回しが読みづらいと思うくらいで、きれいな流れのある文章です。(訳者の力による所も大)

 

 

サン・サーンスよ

 

ストラヴィンスキー好きなので。

有名な、サン・サーンスのストラヴィンスキー春の祭典』評。

 

「作曲者は狂っている!」とか、あれを多分10代のときCDのライナーノーツで読んだときは「この野郎!」と思ったし、サン・サーンス・・権威はこれだから嫌だ。と思ったものです。

 

そんな大ブーイングが後のバレエ音楽の名作です。

 

初期のニジンスキー振り付け版、特にひとりにフォーカスしたバージョンはなんども見ました。

 

昔の記事↓

bosatstan.hatenablog.com 

 

ジャンプしてポーズを切り替えて、止まってキープしてって・・「どういう軸をしてるんだ?」と思いますよ。

 

さて。前述の、ドビュッシーの評論にもちょっと、遠回しな表現ながら、

当時の保守派サン・サーンスをディスる文があります。

 

若手や当時の前衛表現を模索していた人たちからは煙たがられてた節もなきにしもあらず。(当然サーンス側もバリバリにドビュッシーディス)

 

 

それを踏まえて

 

そんなわけで、サーンスにあまり良い印象なかったんですが。

 

今月末そのサン・サーンスの代表曲「白鳥」のピアノ伴奏をすることになりました😂  マンドロンチェロの伴奏です。

 

こちらの動画は普通のチェロ↓

www.youtube.com

 

で、練習してみたら・・綺麗な曲ですねw

 

昔も一度、15年くらい前!?  フルートの伴奏でやったことがあるはずなんですが、細かいコードの変わり方とか忘れていた。

 

流麗というのが、 一番しっくり来ます。

キーはG。その中から逸脱はせず。

 

ベースラインも極力跳躍させないように工夫し、

代理コード(借用和音)を使ってもスムーズに処理。

とにかくなめらかさを指向している。抜群の安定感。

 

ドッカンドッカン言う、凸凹のグルーヴを持つ

ダンスミュージックのストラヴィンスキーが合わなかったわけだわ・・。

そら怒るわ、美学・価値観が全く異なるんだから。

 

wiki見てみると、当時86歳まで生きたって、長生き〜!超人だ。

伝記読んでみたくなるな・・。

 

ドビュッシー音楽論集―反好事家八分音符氏 (岩波文庫)

ドビュッシー音楽論集―反好事家八分音符氏 (岩波文庫)