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ギターにハマって困って学んで

いやぁ オケってほんとうにいいもんですね! ラヴェル - 「クープランの墓」

和声を習ってた高校〜大学の頃は、4声で課題を習うのもあって。

クラシックはCDで、弦楽四重奏ばっかり聴いてました。

 

田舎に住んでたから、オーケストラのコンサートなんて近くじゃ見れないですし。

 

そんな中で、「あれ?オケっていいもんだな」思わせてくれたのは、こんな曲だった

心のベストテン第一位はこんな曲だった(今夜はブギーバック)・・・ってことで。

 

ラヴェルクープランの墓です。

 

www.youtube.com

 

アレンジの妙技

 

これで、編曲の妙技を見せつけられました。流麗な弦・菅の使い分け。

 

この曲は1917年にピアノ曲として作られ、

1919年に管弦楽版にアレンジされています。

 

オーケストラの配置や立体感を考えて作ってあるように思います。

各楽器の位置づけや特性を活かして音をわりふりしてある。

 

ピアノ曲から、これだけ重層的でふくらみのある曲に仕上げたことに感動して聴いていたものです。

最初からこっちを想定してピアノ曲を書いてたんじゃないかなと思います。

 

 

当時はなんとも思ってなかったけど、今聴くと自分が取り組むには分不相応。

膨大な脳の情報処理が必要だなと思いますw

オーケストレーションのスコアを組み立てられる人は単純に尊敬します。

 

 

密かに訪れていた喪失・スランプ

 

作者ラヴェルは、母を亡くし。この辺りから深刻なスランプに陥ったようです。

 wikiに載っている本人の言葉だけでも、うつ状態に見えます。

奇しくも、1918年には音楽的に比較されることの多かったドビュッシーも亡くなっています。

 

これだけ、偉大な。しかも秀才型というか、古典のスタイルを踏襲しながら

コツコツ構築できるタイプの作曲家。

こんな堅実な人でも、人生の大きなダメージで苦しんだんだなと感慨深いです。

 

 

本領を最大限に発揮

 

とはいえ、この曲はこの人のやりたかったことが如実に出ている作品と言えるんじゃないかと。

ピアノで設計図を考え、オケで実際の建築物をつくるような本人の資質が余すことなく出ています。本人の苦悩とうらはらに、音楽の方は大いに歌って躍動している。

 

個人的には、ラヴェルのオーケストラ作品で最も回数聴いていると思います。

 

 

ラヴェル:マ・メール・ロア、クープランの墓、他

ラヴェル:マ・メール・ロア、クープランの墓、他

 

 

 

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監督はクリント・イーストウッド。1988年作品。日本では劇場公開はされていません。

 

記録を編集して描く人間性

 

全体的に白黒が多いと言えど、記録映像が古くさく感じなくて、リアルなものに見えました。

 

モンクの帽子遍歴と、あの独特な奏法と鼻歌?・・うめき声も聴けます😂

 

独学からピアノをはじめ、ジュリアード音楽院で学んでいたというのは初めて知りました。

 

モダン・ジャズの創始者のひとりと言いつつも、当初レコードはそれほど売れていなかったという話。

そして、『バット・ビューティフル』よろしくヤクザな世界。体は疲弊するだろうなーと思いながら見ていました。

 

本人の話し声を初めて聴きました。だいぶボソボソっていうかぐだーっと喋る人なんですね。あとよくクルクル回っている。

この人の持つ性格のオフビート感は音楽の魅力に直結しているのかもしれない。

 

 

録音に関して、テイクワンが一番いいと考えていたというのは納得です。あとはエネルギーが下降線を辿ると・・。

 

躁と鬱を繰り返していたという話も出てきます(彼の子供の証言)

内向的で静かな時期と、多動な時期の繰り返しがあったとのこと。それも発作的な部分があったと。年代ごとに違いがあったようです。

 

 

関係性の視点

 

そして奥さんの内助の功というにふさわしい働き。身の回りのこと全部やってもらっていたらしい。九州男児でそういう話聞きますよね・・。(都市伝説かと思ってたら友達のお父さん本当にそうだったみたい)

 

この内助の功視点からの映像もちょくちょく出てきてそれもいいですね。

 

仙人のように見えるモンクの、人間くささが垣間見えます。

 

練習風景のザワザワ感とか、見ててやだねーw

そこがいいとか悪いとか、あーだとかこーだ議論する感じ、楽団あるあるだし。一番嫌な時間。

 

スターとしての一個人ではなく、周囲の人との関係性の面から描くのはイーストウッドらしさ。本人にとってあらゆる位置付けの人がいて当然。

 

 

イーストウッドの乾いたタッチ

 

イーストウッドが関係性、特に家族・友人を描くときの、ライトサイドが 「グラン・トリノ」だとしたらダークサイドは「ミリオンダラーベイビー」でしょうか・・。

 

投げっぱなしにはしないけど、変に解釈して色付けもしないよという

絶妙な距離の取り方は「J・エドガー」とか、それこそ「Bird」とかにも表れています。

 

 

見ていると、モンクは猫派だったようですね。ちょっと、らしいですね🐈

 

亡くなったのは、僕の生まれた6日後というのも驚きました。

そうだったのかー! という感じです。

 

 

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