和声を習ってた高校〜大学の頃は、4声で課題を習うのもあって。
クラシックはCDで、弦楽四重奏ばっかり聴いてました。
田舎に住んでたから、オーケストラのコンサートなんて近くじゃ見れないですし。
そんな中で、「あれ?オケっていいもんだな」思わせてくれたのは、こんな曲だった
心のベストテン第一位はこんな曲だった(今夜はブギーバック)・・・ってことで。
アレンジの妙技
これで、編曲の妙技を見せつけられました。流麗な弦・菅の使い分け。
この曲は1917年にピアノ曲として作られ、
1919年に管弦楽版にアレンジされています。
オーケストラの配置や立体感を考えて作ってあるように思います。
各楽器の位置づけや特性を活かして音をわりふりしてある。
ピアノ曲から、これだけ重層的でふくらみのある曲に仕上げたことに感動して聴いていたものです。
最初からこっちを想定してピアノ曲を書いてたんじゃないかなと思います。
当時はなんとも思ってなかったけど、今聴くと自分が取り組むには分不相応。
膨大な脳の情報処理が必要だなと思いますw
オーケストレーションのスコアを組み立てられる人は単純に尊敬します。
密かに訪れていた喪失・スランプ
作者ラヴェルは、母を亡くし。この辺りから深刻なスランプに陥ったようです。
wikiに載っている本人の言葉だけでも、うつ状態に見えます。
奇しくも、1918年には音楽的に比較されることの多かったドビュッシーも亡くなっています。
これだけ、偉大な。しかも秀才型というか、古典のスタイルを踏襲しながら
コツコツ構築できるタイプの作曲家。
こんな堅実な人でも、人生の大きなダメージで苦しんだんだなと感慨深いです。
本領を最大限に発揮
とはいえ、この曲はこの人のやりたかったことが如実に出ている作品と言えるんじゃないかと。
ピアノで設計図を考え、オケで実際の建築物をつくるような本人の資質が余すことなく出ています。本人の苦悩とうらはらに、音楽の方は大いに歌って躍動している。
個人的には、ラヴェルのオーケストラ作品で最も回数聴いていると思います。
- アーティスト: モントリオール交響楽団デュトワ(シャルル),ラヴェル,デュトワ(シャルル),モントリオール交響楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2009/05/20
- メディア: CD
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