カリヤニ・ローリー著 高木悠鼓訳
精神世界系ではひさしぶりに面白い本に出会ったなと思いました。伝記ものはミルトン・エリクソンの本以来、真剣に通読。
インドの伝統的な流派の呼び名だとアドヴァイタ(不二一元論)に分類されるようですが、本人は特にそこを強調しているわけではない。
アルコール依存症の治療のために瞑想などの修行をはじめ、ニサルガダッタ・マハラジを師としてインドに滞在して、道を得る。その後故郷のオーストラリアに戻ってからはAA(依存症の自助団体)の仲間を中心に教えを伝えたという人です。現在も週3で集まりを開いているようです。
教えの骨子は、本質(悟り・真我・空など)を、人は生れながらにすでに持っている。それ自体である。それは思考を通しては決して理解することができない。「私」は思考・心でもなければ体でもない。といったもの。
著名なラマナ・マハルシの孫弟子にあたるのかな・・。チベット仏教の〝ゾクチェン〟ともかなり類似しています。
到達すべきものは何もなく、あるがままですでにそれである。だから、瞑想なども特別推奨しない、ただその本質への気づきをうながすだけ。それだけなのです。
- 作者: カリヤニ・ローリー,高木悠鼓
- 出版社/メーカー: ナチュラルスピリット
- 発売日: 2011/11/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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