タランティーノ - Once upon a time in Hollywood (2019)
結の論から言うと面白かった!
途中まで、何?なんなのこの映画と思ってみていた。
ディカプリオ、ブラット・ピットの二代スターが中心なのに
その時代・時代をサンプリングしたような映像表現・美術から何からの細かさはさすがタランティーノと思ったんですけど。変にテンションが低くて地味な展開が続く
中年の悲哀の話か?とすら思った。が、まだそれで映画の半分くらいしか行ってないことに気づく。
ディカプリオがちょっとコメディリリーフも兼ねている感じがして、対して熱い男の役(イングロリアスバスターズ!)の印象の強いブラピは、今回職業スタントマンの役だが、徹底してクール。
ただ途中、「ポランスキー監督夫人のシャロン・テートだ」ってセリフが出てきた時、ん?と思う。シャロン・・聴いたことある。この人は人民寺院・・じゃないマンソンファミリーに殺された人じゃなかったっけ? それが絡むの?
と、そこからまた長いから一旦注意を削がれるのだが、何か映像が不穏なんだ・・。
ブラピがヒッピー集団の中を歩いているシーンもそうだし、カメラが中距離で引いた絵で撮っているので、色んな小屋から周りのものが画面に映るしいきなり銃でバーン!とか来そうでなんだか見ていて気持ちが悪いんですよね🤔 割とダラダラとした進行なのに
そういうので観客の注意力を維持している。
それで、さっきの伏線というか何というかが活きてくる。やっぱマンソンファミリーが来る💦 そこで、今までのダウナー路線が嘘だったように一気に大暴力シーン!ドカーンとなる。
で、巧いことブラピがLSDでラリってる時に犯人らに鉢合わせる。「ん?何だお前たち現実か?」っていうセリフにはさすがに笑った。
そこからは、とんちと機転を効かせたアクションで、各々が活躍する。フィクションの力をフル活用している。
散々彷徨わせて、結果大爆発っていうのはわかってるなーと。一定時間見てくれる事が前提になっている映画ならではの作劇。
タランティーノ作品は片手で数える程しか見てないけれども、毎回この人凄いなと思って見ている。形は違えどカタルシスのポイントが必ずあるから。
それと映像の質感から編集から音楽から使えるものは何でも使って、観客側にはまだ理解できていない部分を暗示するところ。
そして、ちょっと群像劇っぽいこの彷徨い感は極めて昔のタランティーノ的かと思います。