bosats 音 note

ギターにハマって困って学んで

ニンゲン合格(1999)

悲劇なのか喜劇なのか分からないバランス

 

大学1年だった頃。夜中に3本だてで黒沢清特集をやっていました。日テレだったような気がします。実際は『回路』の宣伝用。

 

『cure』『ニンゲン合格』とあと一本は、相川翔さんの復讐もののVシネだった記憶あり。

 

それで、一気に黒沢ファンになりました。

 

さて、この映画の主演は西島秀俊。当時はマッチョじゃなく、ほっそい!

ヒョロヒョロです。完全に上のwiki がネタバレになってますが、ネタバレしても面白いってのが本当の映画ですよ。

 

昏睡から目覚めた青年。目覚めたはいいが家庭は崩壊してる・・というお話。

そして通過儀礼の話だと思います。

 

そのメンター役に役所広司。不法投棄請負いというダーティな仕事をしている

この人が、実質上彼の父親がわりになるのです。

 

www.youtube.com

 

この映画、一昨年の2018年末にNHKBSでやってたんです。大事な役の大杉蓮さんの亡くなる2〜3日前に放送されたのでより印象に残っています。

 

未だに実家のテレビのハードディスクに保存したままで。。

いい役者さんが出まくりです。

 

そして監督が多様する極端な演出と編集。シーンによっては極端なスピードになったり

視聴者が「へ!?」ってなる。ギャグにすら見える撮り方、編集です。

それで、ちょっとこの辛い話が軽くなる面もあります。

 

で、監督の好きなフランス映画仕込みのラストですが。18歳の僕は感動して泣いたんじゃないかな。

 

この映画のテーマのひとつにもなっている。西島-大杉の対立軸が、今見ると年齢を重ねてますから、大杉さん側にも感情移入できるので。

より、あーとかうーんとか思いながら見ました。

 

多分三回くらいは見ましたので今は泣かないですが、やっぱりこのトレイラーのようにバッハが似合うくらい。何か滑稽で美しい映画なんですよね。

 

監督が人の生き様について、ものすごく引いた視点を持ってるっていうのが分かる作品です。

 

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  • 発売日: 2016/03/25
  • メディア: DVD